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東京高等裁判所 昭和60年(行ケ)78号 判決 1986年12月18日

原告

セイレイ工業株式会社

被告

特許庁長官

右当事者間の昭和60年(行ケ)第78号審決(実用新案登録出願拒絶査定不服審判の審決)取消請求事件について、当裁判所は、次のとおり判決する。

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は、原告の負担とする。

事実

第1当事者の求めた裁判

原告訴訟代理人は、「特許庁が、昭和60年3月5日、同庁昭和56年審判第24410号事件についてした審決を取り消す。訴訟費用は、被告の負担とする。」との判決を求め被告指定代理人は、主文同旨の判決を求めた。

第2請求の原因

原告訴訟代理人は、本訴請求の原因として、次のとおり述べた。

1  特許庁における手続の経緯

原告は、昭和50年5月15日、名称を「動力作業機」とする考案(以下「本願考案」という。)について実用新案登録出願(昭和50年実用新案登録願第66383号。以下「本件出願」という。)をしたところ、昭和56年9月17日拒絶査定を受けたので、同年12月11日これを不服として審判を請求し、昭和56年審判第24410号事件として審理され、昭和58年8月27日出願公告(実公昭58―38062号)がなされたが、訴外肥田謙二から登録異議の申立てがなされ、昭和60年3月5日、右申立ては理由がある旨の決定とともに「本件審判の請求は、成り絶たない。」旨の審決(以下「本件審決」という。)があり、その謄本は、同年4月4日原告に送達された。

2  本願考案の要旨

運転者用座席(3)の前部に各種操作レバー(5)、(6)、(7)を装備する操作盤(4)を床部に突設した操作装置において、操作盤の上部で且つ前記操作レバーの前部位置に逆U字状の握り杆(8)を同操作盤に直接に突設したことを特徴とする動力作業機。(別紙図面(1)参照)

3  本件審決理由の要点

本願考案の要旨は、前項記載のとおり(本願考案の実用新案登録請求の範囲に記載のとおり)と認められるところ、これに対して、登録異議申立人が提示した実開昭50―119533号公報(以下「引用公報」という。)には、運転者用座席の前部に各種操作レバーを装備する操作盤を床部に突設した操作装置において、操作盤の上部で、かつ、前記操作レバーの前部位置に、逆U字状の握り杆を、同操作盤の両側面上部より直接突設した動力農機(すなわち、作業機)が記載されている。登録異議申立人は、引用公報に基づく本件出願の拒絶条文として、実用新案第3条の2の規定を掲記しているので、引用公報は、実質的には、引用公報に係る、本件出願の日前に実用新案登録出願され、本件出願後に出願公開された、実用新案登録出願(実願昭49―29783号)の願書に添付された明細書(以下「先願明細書」という。)及び図面(以下「先願図面」といい、右図面と「先願明細書」と併せて「先願明細書等」と、「先願明細書等」に記載された考案を「先願考案」という。)を提示したものと解する。そこで、本願考案と引用公報に記載されたものとを比較すると、握り杆を直接突設した位置が、引用公報では、操作盤の両側面上部であるのに対し、本願考案では、操作盤の上部(これを上面の意味に解する。)である点で相違するのみで、その他の構成は一致する。次に、前記相違点について検討すると、握り杆の突設位置を操作盤の上部とするか、あるいは両側面上部とするかによって、握り杆の縦杆の長さが多少異なることから、該縦杆基部にかかる曲げモーメントに差異が生ずることから、握り杆を操作盤の上部より突設した方が強度上有利である(このようなことは、設計者にとつて自明のことというべきであるが)としても綱棒又は綱パイプで作られる握り杆の一般的な太さが直径2cmないし3cmであることから考えれば、前記取付位置の差異は、強度上全く問題がなく、当業者が設計上適宜なし得る取付位置の選択にすぎないものというべきである。

したがつて、本願考案は、前記相違点に格別の考案は認められず、引用公報に示された先願明細書等に実質的に記載された考案と認められ、しかも、本願考案の考案者又は出願人が先願考案の考案者又は出願人と同一であるとも認められないから、実用新案法第3条の2の規定により実用新案登録を受けることができない。

4  本件審決を取り消すべき事由

本件審決は、(1)本願考案を先願明細書等記載の先願考案と対比しないで引用公報記載のものと対比し、(2)引用公報の記載事項の解釈を誤つて本願考案と先願考案と同一と判断し、ひいて、本願考案は、実用新案法第3条の2の規定により実用新案登録を受けることができないとの誤つた結論を導いたものであるから、違法として取り消されるべきである。すなわち、

1 実用新案法第3条の2に規定する当該実用新案登録出願の日前の他の実用新案登録出願の考案とは、その願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されたものをいうのであつて、出願公開された公報に記載された考案ではない。およそ、公開公報の記載は、出願後補正により追加される場合があるから、願書に最初に添付された明細書及び図面の記載とは必ずしも一致しない。したがつて、公開公報を願書に最初に添付された明細書及び図面と実質的に同一であるとするのは、出願当初の明細書及び図面に含まれていない点をも含めて扱うことになり、法の趣旨に反する。本件審決が引用したのは、先願明細書等の公開公報であり、これをもつて、願書に添付された明細書及び図面(先願明細書等)を提示したものと解しただけで、先願明細書等を引用しているものではない。本件審決は、先願明細書等の記載と対比して判断したところを、単に便宜その公開公報(引用公報)を挙示することによつて表現するにすぎないものとみることはできない。以上のとおり、本件審決は、比較の対象の選定を誤つて、本願考案を先願明細等でなく、その公開公報(引用公報)の記載のものと対比した点において違法のものといわざるを得ない。なお、引用公報記載のうち、実用新案登録請求の範囲及び図面の簡単な説明が先願明細書の記載の該当部分と、また、引用公報の図面の第1図及び第2図が先願図面と同じであること、並びに本件審決の示すとおり、登録異議申立書に、証拠として引用公報が表示され、本願考案を拒絶すべき理由として実用新案法第3条の2の規定が掲記されていたことは、認める。

2 本願考案は、動力作業機の操作装置に関するものであつて、従来のこの種のものは運転者用座席の前方に広幅状の操作盤を突設して操作盤に各種操作レバーを単に設けていたものであるが、このような構造のため、運転者が機体に乗るときや、機体上より降りるときに誤つて操作レバーを持つために主ブームやバケツト部が不測に作動して事故を起こす等の欠点があつたところ、本願考案はこのような技術的背景のもとにその実用新案登録請求の範囲に記載の構成を採用し、右構成により前記欠陥を解消したものである。ところで、先願明細書等には、本願考案の構成中「操作盤の上部で且つ前記操作レバーの前部位置に逆U字状の握り杆(8)を同操作盤に直接に突設した」構成及びその作用効果である(イ)運転者が機体上に乗降する際に、操作レバーを握ることなく、常時円滑に昇降することができ、握り杆の取付強度も強固となり、従来のような運転者が誤つて操作レバーをもつて掘削部を不測に作動させていたものに比較して安全に作業ができ、(ロ)構造が簡単でありながら、作業を能率的に行うことができる点について記載がない。したがつて、右構成に関しては、先願図面に記載があつても、先願明細書に何ら記載がなく、その技術内容が開示されているものということはできない。先願明細書又は先願図面に技術内容が十分に開示されていない以上は、実用新案法第3条の2の適用の前提である先願の考案とはなり得ないものであり、後に出願公開がされたとはいえ、本件出願時には、先願明細書等は秘密の状態にあり、出願人(原告)の知り得るところではなかつたのであるから、たまたま先願図面に書かれている点を取り上げてこれと本願考案とを同一とすることは、法の適用を誤つたものである。しかも、先願図面記載のものは、握り杆ではなく、操作レバーであり、握り杆としても操作盤に突設されたものではなく、回動自在に取り付けられたものといい得るものであつて、取付位置の相違以外にも、右の点において本願考案と相違する。被告は、先願図面に開示されているものが本願考案の握り杆に相当するものであることは、当業者にとつて自明であるとし、その資料として乙号各証を挙げるが、うち乙第1号証及び第2号証の各3並びに乙第3号証の3ないし5に図示されたものの操作盤は、刈取部の背面あるいは運転部の各種カバーに付設され、又は運転部のレイアウトを構成する部材の一部として構成されているものであり、また、乙第4号証の第1図に示されたものは、操作盤が刈取部の一部に付設され、床部に突設されていないから、これらのものではいずれも、操作盤の位置構成上、乗降時に操作レバー又は操作盤に触れるおそれがないため、これらの握り杆は運転操作時の機体の揺動により、不用意に操作レバーに触れることのないよう、また、運転者の着座運転姿勢を保持するために設けられたものであつて(乗降時の把持用握り杆は別途機体側面の座席近傍に付設されるのが通常である。)、本願考案のように乗降のためのものではない。したがつて、これら乙号各証の握り杆は、本願考案の特徴を備えていないから、これらをもつて、引用公報記載のものを判断することはできない。右乙号各証に図示された握り杆は、本願考案のように、床部から突設した操作盤に直接突設したものではなく、これら握り杆の取付例がたとい公知であつても、本願考案において握り杆を操作盤の上部で、それに直接に突設したものとすることは、当業者が設計上適宜なし得る取付位置の選択にすぎないということはできない。

第3被告の答弁

被告指定代理人は、請求の原因に対する答弁として、次のとおり述べた。

1  請求の原因1ないし3の事実は、認める。

2  同4の主張は、争う。本件審決の認定判断は正当であつて、原告主張のような違法の点はない。

1 原告主張4 1について

引用公報記載のうち、実用新案登録請求の範囲及び図面の簡単な説明は、先願明細書の記載の一部であり、第1図及び第2図は、先願図面と同じである。したがつて、本件審決が引用公報に記載されていると認定した技術的事項は、引用公報の図面に基づくものであり、かつ、その図面を含めて引用公報の記載内容は、すべて先願明細書等に記載されているところであるから、引用公報に基づいて本願考案が先願明細書等記載のものと同一と判断したことに誤りはない。

2 同4 2について

機会図面においては、当業者が説明を待つまでもなく理解できるものが多く、引用公報の図面記載の握り杆もまさにその例であるから、本件審決が本願考案の構成(握り杆の取付位置を除く。)がすべて引用公報に開示されていると判断したことに誤りはない。更に本件出願前に日本国内に頒布された乙第1号証及び第2号証の各3、乙第3号証の3ないし5の各図面並びに乙第4号証の第1図には、具体的な説明はないものの、コンバイン等作業中に作業機の前下部を視野に収めるために立つて操作することの多い動力作業機において、作業者が身体の安定を保つため、又は乗降時に把手としてつかまるのに必要な、当業者に自明の握り杆が示され、これらの資料からみても、引用公報の図面において操作盤の両側面上部に逆U字状に突設されたものは本願考案の握り杆に相当するものであり、原告主張のように、回動自在に取り付けられたものであるとか、又は操作レバーではあり得ないことは、当業者に自明のことである。

本願考案と引用公報記載のものとの相違点である握り杆の取付位置については、前記乙号各証における握り杆の取付位置に若干の差異があるものの、これら種々の握り杆の取付例が本件出願前公知であるというべきであるから、この点に照らし、当業者が設計上適宜なし得る選択にすぎないものというべきである。

第4証拠関係

本件記録中の書証目録記載のとおりであるから、これを引用する。

理由

(争いのない事実)

1  本件に関する特許庁における手続の経緯、本願考案の要旨及び本件審決理由の要点が原告主張のとおりであることは、当事者間に争いがない。

(本件審決を取り消すべき事由の有無について)

2 原告は、本件審決が(1)本願考案を先願明細書等記載の先願考案と対比しないで、引用公報記載のものと対比し、(2)引用公報の記載事項の解釈を誤つて本願考案と先願考案とを同一と判断した違法があると主張するが、原告のこれら主張は、以下に説示するとおり、いずれも採用の限りでない。

1  原告は、その取消事由1として、本件審決は本願考案と先願考案とを対比することなく、本願考案と先願明細書等の公開公報である引用公報とを対比したものであり、この点において違法である旨主張するから審案するに、本件において、登録異議申立書に、証拠として引用公報が表示され、本願考案を拒絶すべき理由として、実用新案法第3条の2の規定が掲記されていたことは原告の認めるところであり、この事実に前記当事者間に争いのない本件審決理由の要点の記載(特に、その末文の「したがつて、本願考案は、……引用公報に示された先願明細書等に実質的に記載された考案と認められ」との記載部分)を総合すると、本件審決は、本願考案と引用公報とを対比したものではなく、引用公報に記載された先願明細書等の当該部分を本願考案との対比判断の対象に供したものと認めることができるところ、引用公報記載の実用新案登録請求の範囲及び図面の簡単な説明が先願明細書の当該部分の記載と、また、引用公報の図面第1図及び第2図が先願図面と同じであることは、原告の認めるところであるから、本件審決には原告主張のような違法事由はなく、したがつて、原告の右主張は、採用することができない。

2  次に、原告主張の取消事由2について検討するに、前記争いのない本願考案の要旨に成立に争いのない甲第2号証(本願考案の実用新案登録願書並びに添付の明細書及び図面)及び第6号証(手続補正書)を総合すれば、本願考案は、動力作業機の操作装置の改良に関するものであつて、前記考案の要旨(本願考案の実用新案登録請求の範囲と同じ。)の構成、すなわち、運転者用座席の前部に各種操作レバーを装備する操作盤を床部に突設して、該操作盤の上部で、かつ、操作レバーの前部位置に逆U字状の握り杆を同操作盤に直接に固着した構成を採ることにより、運転者が機体上に乗降する際に操作レバーを握ることなく常時円滑に昇降することができ、握り杆の取付強度も強固となり、従来のものにおけるように、運転者が誤つて操作レバーを持つて掘削部を不測に作動させるようなこともなく、安全に作業をすることができ、また、構造が簡単でありながら作業を能率的に行うことができる等の効果を奏するものであることを認めることができる。

一方、成立に争いのない甲第5号証(引用公報)によれば、引用公報は本件出願の日の前の昭和49年3月11日実用新案登録出願され、本件出願後である昭和50年9月30日に出願公開された先願考案の公開実用新案公報であつて、そこに記載の実用新案登録請求の範囲及び図面の簡単な説明並びに図面は、前叙のとおり先願明細書等の該当部分と同一であるところ、引用公報に示された考案は動力農機におけるエンジンラジエータに関するものであるが、その図面は、別紙図面(2)のとおりであつて、その形状から運転者の座席であることが明らかな符号4で示されるもの、座席4の前方に滑り止め用突起を有する床面、更にその前方に足踏みペダル3個、座席4の右側に操作用レバー1本が存し、また、座席4の前方には、床面から座席側に向かつて傾いた操作盤が立設され、該操作盤の上面左側には操作用レバー2本が突出し、該操作盤の両側上部から同操作盤の上部で、操作盤上面の前記2本の操作用レバーの前部位置に該操作盤及び右操作用レバーを左右にまたぐ形で逆U字状部材が突設されているものが示されていることを認めることができ、右認定の事実によると、該逆U字状部材は、その位置にかんがみ、運転者が乗降時にこれを握持することが容易であり、これにつかまることにより身体の安定を保つことができるから、乗降時の握り杆の機能を有することは明らかである(なお、右動力の農機の構造上、乗降時に右逆U字状部材料を把握することにより、動力農機の機能に支障が生じるものとは、到底考えることができない。)。原告は、引用公報図示の逆U字状部材は握り杆でなく、操作レバーであるか、握り杆としても操作盤に突設されたものでなく、回転自在に取り付けられたものともいい得る旨主張するが、前認定のとおり、引用公報図示のものでは、操作用レバーは別の形態で別に設けられており、動力農機の操作は操作用レバー及び足踏みペダル等で行うものであつて、前記逆U字状部材を操作用レバーと認めなければならぬ必然性を見出し得ないし、また、動力農機において握り杆としての右逆U字状部材が回転自在であることの必要性もないから、引用公報の逆U字状部材を原告主張のような部材とみることは相当ではない。なお、このことは、成立に争いのない乙第1号証及び第2号証の各1ないし4により認められる事実、すなわち、右乙号各証は、引用公報記載の考案の実用新案登録出願前の昭和44年9月ないし45年9月に出版された農機の構造に関する刊行物で、それには、コンバインの操作盤の上方に固着された回転不能の逆U字状の部材が設けられていることが示されているところ、右部材は回転不能であることから、操作レバーとは到底認め得ない事実に照らしても肯認することができる。もつとも、右乙号各証によると、原告の指摘するように、これらの逆U字状部材は、その位置、目的が必ずしも引用公報のそれと同じということができないが、このことは引用公報の逆U字状部材取付方法、機能に関する前段認定を妨げるものとなし難く、したがつて、原告の右主張は、採用するに由ない。

以上に認定したところに基づいて、本願考案と引用公報記載のものとを対比すると、両者の一致点及び相違点が本件審決認定のとおりであることは、明らかである。ところで、右の相違点は、逆U字状部材(握り杆)の取付位置に関するものであるところ、その取付位置を引用公報記載のものにおける操作盤の両側上部にするか、本願考案における操作盤の上部にするかは、格別の工夫を要せず、当業者が設計上適宜なし得る程度の選択的事項にすぎないものと認めるを相当とし、もとより右取付位置の変更により、その目的、効果に格別の差異を生ずるものとは到底認めることができない。そうであるとすれば、本願考案は、引用公報記載の考案とその構成において同一であるというべきである。原告は引用公報には本願考案の奏する作用効果について記載するところがない旨主張するが、両者がその構成において同一であること、前認定のとおりである以上、引用公報にその作用効果についての記載がなくても、同一の作用効果を奏することは明らかであり、したがつて原告の右主張も採用することができない。

そうすると、本願考案は、引用公報記載の考案と同一であり、したがつて、先願明細書等記載の先願考案と同一であるものというべきところ、本願考案の考案者と先願考案の考案者が同一人ではなく、また、本件出願の時にその出願人と先願考案の出願人とが同一人でないことは原告の明らかに争わないところであるから、結局、本願考案をもつて、実用新案法第3条の2の規定により、実用新案登録を受け得ないとした本件審決は正当というべきである。なお、原告は、先願図面に記載があるだけで、先願明細書に記載のないものは、その技術的内容が開示されているということができず、この場合、実用新案法第3条の2の適用の前提となる先願の考案となり得ない旨主張するが、前説示とおり、先願図面に考案の構成ないし技術的内容が開示されている以上、同条の適用があることは論ずるまでもないところであつて、原告の右主張は独自の見解というほかなく、採ることができない。

(結語)

3 以上のとおりであるから、その主張の点に判断を誤つた違法のあることを理由に本件審決の取消しを求める原告の本訴請求は、理由がないものというほかない。よつて、これを棄却することとし、訴訟費用の負担について、行政事件訴訟法第7条及び民事訴訟法第89条の規定を適用して、主文のとおり判決する。

(武居二郎 高山晨 清永利亮)

<以下省略>

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